2009年06月08日

MDR-XB40EX(2)〜リファレンス編

とりあえず、予定のエージングは終わりました。エージングの方法については諸説あって、正直よくわからんのですが、今回はFMのホワイトノイズで24時間再生した後、リファレンスで使う曲を36時間リピート再生という方法を採りました。人によっては最低100時間は必要なんていう方もいますが、個人的に「慣らし」の駆動はこんなもんで充分だと思っています。あとは、使いながら変化を楽しむというのが柚木屋流です。
 
さて、通常の場合ヘッドフォンの評価作業というと、CDプレイヤーのヘッドフォン端子ダイレクトまたはヘッドフォンアンプを使うものですが、今回はPC上でMP3にエンコードしたファイルをUSBプロセッサ経由で聴くことにしました。大変残念なことに、少なくともヘッドフォンで聴くぶんにはウチのCDプレーヤー(年代物のYAMAHA CDX-490)で聴くよりこっちの方が良いことに気付いてしまったんですよね。完全にDACの進歩度合の差でしょうね。もっとも、それならCDプレーヤーからオプティカル接続でプロセッサ通せば良いんですが、今回は曲単位でなるべく幅広く多くのジャンルを試したいので、選曲効率も考えてMP3にエンコードしてから行います。せめてWAVフォーマットにしろって言われそうですが、実際このヘッドフォンはDAPでMP3を聴くためにしか使わないわけですから、コレで良いんです。ぶっちゃけ、全部言い訳ですけど(笑)。
 
 
覚え書きとして、今回の再生環境のメモ。
 
ヘッドフォン:MDR-XB40EX
リードドライブ:Pioneer DVR-110
エンコーダ:Lame v1.32/engine3.97b2
フォーマット:MPEG1/Layer-3/STEREO/CBR320kbps(q=0)
アウトプット:ONKYO SE-U55X/USB
 
 
前置きが長くなってしまいましたが、ここから本編の試聴レポートです。
曲ごとに分けてお伝えします。
 
 

B00005EJK3DISCOVERY
SING LIKE TALKING
ファンハウス 1995-08-02

by G-Tools


試聴曲:Track#2 Keeps Me Runnin'

まずはこちら。10年以上に渡り、新しいオーディオ製品を導入した際は一発目の再生に必ず使っている曲です。前にも書いたと思うのですが、様々な楽器が使われているので、それらの発音をチェックしてヴォーカルがそれに埋もれていないかをチェックするのに重宝します。柚木屋は中高音域の管楽器が耳障りな音がとにかく苦手な人なので、この曲のホーンがうるさかった場合、基本的にそのオーディオ機器はアウトです。
 
第一印象としては、管楽器の発音は割と聴きやすい音で悪くありません。ハイハットとシンバルがうるさすぎず、割と好みです。バスドラは意外に控えめ。ベースはさすがに音量は出ている感じですが、若干曇り気味でしょうか。定位感の再現はかなり苦手っぽいですね。2kHz以下がかなり出るんで少しでも前寄りに鳴ってればよいと期待してたんですが、普通に耳の少し後ろで鳴っているような印象です。
 
 
 
 
 
B00005HIGOCOZY
山下達郎
WEAジャパン 1998-08-26

by G-Tools


試聴曲:Track#14 いつか晴れた日に(ALUBUM MIX)

こちらも長らく評価用に使っている山下達郎「COZY」。このアルバムに限らず、氏の作品はとんでもなく録音・ミキシング・マスタリングにこだわっているので、そこらのポップスCDはとても及ばない音質になっています。まぁ、ウチの機材はとてもじゃないけどその高音質を生かせるようなシロモノじゃないんですが、元の音源が良いに越したことはないということで・・・。
 
再生してみた印象ですが、なぜかこの曲だけ音割れ気味なんですよね・・・。ヴォーカルの「サ行」「ハ行」なんかは顕著で、はっきり言って聴いていられません。試しにCDプレイヤーに直でつないでみても同じ。ほとほと困りはてて、ビットレートを192kbpsまで落としてみたら解消しました。情報量が多すぎるのか?謎です。というわけで、2曲目にして評価不能。前途多難です。
 
 
 
 
 
B0015DQFOQトライアングラー
坂本真綾
JVCエンタテインメント 2008-04-23

by G-Tools


試聴曲:Track#1 トライアングラー

気を取り直して次の曲。ここからは柚木屋が最近よく聴く曲の中から、このヘッドフォンに合いそうなものをチョイスです。こちらは、ご存知のとおりマクロスFのOP曲ですが、ベースがめちゃくちゃ格好良いのです。演奏は柚木屋の敬愛するベーシストの一人、渡辺等さん。とにかく独特な弾き方で、一体どうやって演奏するのか知りたくて山野楽器のバンドピースコーナーまで確認に行ってしまいました。その結果、5弦ベースじゃ弾けないということがわかったんですが・・・その話は置いておいて、と。
 
話が前後してしまいますが、今回試した曲の中では一番このヘッドフォンに合っている曲でした。基本的に高めのベースラインで引っ張るタイプの曲だということもあるでしょうが、全体にバランスが良く再生されます。敢えて悪いところを挙げるとすればハイタムとピアノの高音域が若干ですがきつめという点でしょうか。
 
 
 
 
 
B000B63EF6Idea
eufonius
ランティス 2005-11-02

by G-Tools


試聴曲:Track#1 Idea

こちらもアニソン「ノエイン」のOPテーマですが、コード進行が独特でベースの格好良さが全面に出ている曲です。余談ですが、前述の渡辺等さんはこの曲が収録されているアルバム「metafysik」でも何曲かに参加されています。
 
この曲に関しては、元のミックスがかなりベースを強めに収録されているので、予想通りバランスとしてはあまり良くありません。奥行き感が全くないのは相変わらずですが、左右方向は割と得意ならしく、コーラスの乗る部分は面白いですね。
 
 
 
 
 
B000P0I6DSYOU
小谷美紗子
HIPLAND MUSIC 2007-05-16

by G-Tools


試聴曲:Track#1 YOU

以前にも絶賛しましたが、ギターレスの構成ながら文句なしにロックで格好良い、小谷美紗子TRIO。ベースはもはやファンにはおなじみ、100sの山口寛雄さんです。
 
この曲に関しても、やはりベースが曇っている・・・というか、湿っぽい感じに聴こえてしまいます。ひとくくりにエレクトリックベースといっても奏者やレコーディング環境・ミックス等々で差異が出てきますので、その違いをこのヘッドフォンが表現できているということなのか、あるいは得意なレンジと苦手なレンジがはっきりしてしまうヘッドフォンなのか・・・難しいところです。もう少しいろいろ聴いてみましょう。
 
 
 
 
 
B000066NQ0Deadstar
Muse
Mushroom 2002-06-07

by G-Tools


試聴曲:Track#1 Deadstar

ベースばかりに注意が行ってしまうので、今度はバスドラが良さそうな曲をチョイス。まぁ、Museなんで全体的にバイオレンスに突き刺す音ばかりではあるんですが。
 
基本的にドラム・ベース・ギターのシンプルな編成なので、ギターがリズムセクションに埋もれてしまうかと思ったんですが、ミックスを上手にやっているお陰なのか、割と良いバランスです。バスドラもベースと良い具合に釣り合います。低音は相変わらず湿りがちですが、洋楽であるせいかそれほど気になりません。
 
 
 
 
 
B0000A8UY9欧州紀行
ケニー・ドリュー・トリオ
エム アンド アイ カンパニー 2003-08-20

by G-Tools


試聴曲:Track#1 ゴールデンイヤリング

ここまでは得意そうなジャンルの曲中心で選曲してきたので、次は苦手そうなジャンルで行きます。まずはジャズを試します。
 
期待していなかったんですが、意外なことに悪くありません。ただ、悪くないというだけ。ピアノが安っぽくなってしまうんで、そっちをメインで聴く人にはキツイと思います。
 
 
 
 
 
B000RY43I4イッツ・ザ・タイム
ロン・カーター
EMIミュージック・ジャパン 2007-08-08

by G-Tools


試聴曲:Track#1 It's The Time

もういっちょジャズで。
 
ロン・カーターはものすごく地味なプレイの人なんで、はっきり言ってこのヘッドフォンには合いませんね。コンバスにしろエレクトリックにしろ、ベースは強弱よりも音程の動きや幅が大きいタイプの方が得意だという傾向が見えてきました。
 
 
 
 
 
B00006G9UKHaydn: Last Piano Sonatas
Glenn Gould
Sony International 2002-09-23

by G-Tools


試聴曲:Track#1 Piano Sonata in C major, Hob. XVI 48 I. Andante con espressione

ベースの傾向はわかってきたので、今度はクラシックに移ります。とはいっても、あまりクラシック然としたクラッシックは聴かないので、グールドのピアノソナタです。しかもバッハじゃなくてハイドン。グールドの場合、何を弾いても「グールドの曲」になってしまうんで、どうしても他の演奏と比べてしまう有名曲よりも、あまり馴染みのない曲の方が純粋に彼の演奏を楽しめると思うんですが、どうでしょうか。
 
それはさておき、ヘッドフォンの評価。うーん、やっぱりピアノソロは厳しいですね。EX90と比べると厚みにかなりの差があります。鼻歌は結構聴き取りやすいんですが(笑)。
 
 
 
 
 
B00006S2IGベスト・オブ・服部克久
服部克久&東京ポップス・ベスト・コンピレーション
キングレコード 2002-12-04

by G-Tools


試聴曲:Track#1 自由の大地

個人的にはほとんど聴かないオーケストラ編成も、一応試してみました。クラッシックと言って良いのかどうかわかりませんが、新世界紀行のアレです。このテイクはオリジナル版とは異なり、ドラムレスのクラッシックっぽい編成と編曲になっています。
 
で、結論といたしましては、「やっぱオーケストラは無理」です(笑)。とかく弦楽器のクセが出やすいので、いろんな音がとっちらかって、ハーモニーどころじゃなくなります。
 
 
 
 
 
B00009KMAKチャイコフスキー:大序曲《1812年》
エリック・カンゼル
ユニバーサル ミュージック クラシック 2003-06-25

by G-Tools


試聴曲:Track#1 序曲「1812年」op.49

最後にネタとして・・・。わかる人にはわかりますね。例の「どかーん」です(笑)。
 
楽曲としての善し悪しは別として、「どかーん」に関しては、期待通りです。まぁ、しょせんヘッドフォンなのでたかが知れていますが、インナーイヤーとしてはありえないくらい、デストラクティブな雰囲気を味わえます。
 
 
 
 
 
以上でレビューは終了です。一応リファレンスリポートなんで、結論じみたことを書かないといけないんでしょうが・・・正直まだあんまりつかみきれていません。同じような音域や種類の楽器でも、曲によって全然違う鳴り方をすることが多いもので。敢えて傾向を挙げるとするなら、
 
・ピアノはとにかく苦手
・ベース(特に低音域)は湿っぽくなるケースが多い
・ドラムは比較的クリア。ハイはきつくなりすぎる場合もあり
・定位は普通のインナーイヤーの水準
 
こんなところでしょうか。例外も多々あるので言い切ることはできないんですが。
現段階で言えるのは、悪い言い方をすれば、とにかく使いづらいヘッドフォンです。オールマイティとは真逆の傾向。逆に良いとらえ方をすれば、聴き慣れた音源でもこれまでのヘッドフォンとは全く違った聴こえ方になる可能性がある製品であり、得意な音域にはまった曲などでは、価格からは考えられないような音を出してくれます。少なくとも万人向けではありませんが、
 
・ベースラインをひたすら追いかけるような聴き方をする人
・ベースの耳コピをしたい人
・遮音性重視の人
・ヘッドフォンの違いとかよくわからんので違いを実感してみたい人
・ソニー命の人
 
このような方は、1本持っていても良い製品かもしれません。個人的には、DAPのイコライザでムリヤリ作った音よりは好きな鳴り方なんで、しばらく屋外でのメインに使ってみようと思います。本当は他にもかなりの曲を試したんですが、とても書ききれないので今日はここまでということで。これでも、本ブログの最長文字数を3倍以上更新しているかと思いますので、最後までおつきあい頂きましてありがとうございました。

trackbacks

trackbackURL:

comments

うちのCM700Tiとはまるっきり正反対だなぁ。
CM700は音場型。ギターとドラムに迫力がない。

密閉型としては音場も広い方なんだけどね・・・横方向には。
個人的には定位さえしっかり出ていれば音場はそんなに広くなくて良いんだけど。

  • yunokiya
  • 2009年06月08日 23:01
comment form

(LoadHigh にはじめてコメントされる場合、不適切なコメントを防止するため、掲載前に管理者が内容を確認しています。適切なコメントと判断した場合コメントは直ちに表示されますので、再度コメントを投稿する必要はありません。)

comment form